「仕事」と「作業」のちがい
「仕事」は価値を生む行動、「作業」は単純な動作
「仕事」と「作業」は似て非なるものと考えています。
「作業」は決められた動作です。
飲食業のなかで例を挙げると、
どんなお客様に対しても画一的にマニュアル通り
・注文を取る
・料理を配膳する
・レジで会計をする
などです。
単なる動作なのでやり方を覚えれば誰でもできる、つまり誰が行っても、機械が代替しても受け手は同じようにしか感じない業務です。
一方で「仕事」はお客様やほかのスタッフの満足度を高める、感謝を得るなどの価値を生む行動です。
先ほどの例で比較すると、
・注文に迷っているお客様に対し、おすすめや商品説明を交えながらフレンドリーな態度で注文を取る
・「お待たせしました」「ごゆっくりどうぞ」などのひとことを添えながら飲食物を配膳する
・会計をしながら「ご満足いただけましたか」「ありがとうございました!」と笑顔で接する
といった対応が「仕事」だと考えています。
「作業」ができる=「仕事」ができるではありません。
「作業」はマニュアルで定義することができますが、「仕事」は一辺倒に決めることが難しいです。
業務の目的を忘れない
ただ、目の前の業務に没頭していると、つい本来の目的を勘違いし「仕事」のつもりが「作業」になってしまうことがあります。
例えば、
・お客様の満足度を高めるため(目的)に早く料理を提供する
・他のスタッフをサポートするため(目的)に早く自分のタスクを終わらせる
など、お客様や他のスタッフを喜ばせるという目的のために行動するというのがあるべき姿です。
しかし、つい「早く業務をこなす」ことを考えるあまり、それを目的と勘違いしてしまうと
・注文を受けた料理を早く調理するため(目的)にお客様の状況に関係なく調理し提供する
・早く自分のタスクを終わらせるため(目的)に他のスタッフを顧みず自分の都合を優先させる
といったように、相手の満足度や感謝を生み出す「仕事」からかけ離れた単なる「作業」になってしまいかねません。
人は予想していなかった嬉しい対応を受けたときに感動します。その感動がお客様の笑顔や良い体験、クチコミを生み、結果として売上やスタッフのやりがいにつながっていきます。
また、スタッフ間でもそれは同じです。ちょっとした気遣いやひとことが、働きやすい現場づくりにつながっていきます。
現場の業務には「仕事」と「作業」が混在しますが、少しの工夫で「作業」が「仕事」になり、より価値を生み出すこともできます。
私たちは何のためにこの業務をするのかを頭におき、「仕事」をお客様に対しても、他のスタッフに対しても提供できるチームであることが重要だと考えています。